いくら最近ニュースで『年金だけじゃ老後が厳しい』ってよく聞くから、自分が将来いくらもらえるのか不安になってきたよ。。。



そうだね。日本の年金制度は少し複雑だから、よくわからないまま不安になっている人も多いと思うよ。でも、仕組みを理解して『ねんきん定期便』をチェックすれば、将来の見通しは立てられるんだ。



そうなの?ねんきん定期便って、難しそうだからいつもよく見ずに引き出しにしまっちゃってたかも。。それに、年金って老後にもらうだけだよね?



それはもったいない!
将来の生活の土台になる大切な情報だよ。それに、年金は老後のためだけじゃなくて、万が一のケガや病気、亡くなった時にも家族を守ってくれる『障害年金』や『遺族年金』という役割もあるんだ。



えっ、そうだったんだ!全然知らなかった!



オッケー!それじゃあ今回は、年金制度の基本から、もらえる額の確認方法、万が一の保障、さらには受給額をコントロールする『繰り上げ受給・繰り下げ受給』までわかりやすく解説していくね!
日本の年金制度の基本(2階建ての仕組み)
日本の公的年金制度は、よく「2階建て」の建物に例えられます。働き方によって加入する年金が変わるのが特徴です。
1階部分:国民年金(基礎年金)とは?
日本国内に住む20歳から60歳未満のすべての人が加入するベースとなる年金です。
自営業者、フリーランス、学生、専業主婦(主夫)などは、この1階部分のみに加入します。原則として満額で月額約6万8千円(※年度によって変動します)を受け取ることができます。
2階部分:厚生年金とは?
会社員や公務員の方が加入する年金です。
国民年金の上乗せとして支給され、給与の額(標準報酬月額)や加入していた期間によって将来もらえる額が変わります。保険料は会社と個人で半分ずつ(労使折半)負担しているのが特徴です。
厚生労働省が発表している最新(2024年)の平均受給額は約15万円です。
男性平均が17万円、女性平均が11万円になります。
※1階部分の国民年金を含む金額です。
加給年金で年金加算
加給年金は、厚生年金の受給者に一定の要件を満たす配偶者や子がいる場合に、老齢厚生年金に上乗せして支給される「家族手当」的な制度です。
支給要件
以下をすべて満たす必要があります。
- 厚生年金の被保険者期間が20年以上ある人が老齢厚生年金を受給していること
- 65歳到達時点(または定額部分支給開始時点)で、生計を維持している以下の対象者がいること
- 配偶者:65歳未満であること
- 子:18歳到達年度の末日までの子、または20歳未満で障害等級1・2級の子
- 対象者の前年収入が850万円未満(または所得655.5万円未満)であること



難しく書いてあるけど、65歳時点で以下に該当する人だよ。
・会社員で働いていた(20年以上)
・妻が65歳未満または同居の未成年の子供がいる
・前年収入が850万未満
一般的な既婚者のサラリーマンは該当する人が多いよ。
支給額(2026年度目安)
| 対象 | 加算額(年額) |
|---|---|
| 配偶者 | 約23万円+特別加算 |
| 子1人目・2人目 | 各約23万円 |
| 子3人目以降 | 各約7.7万円 |
※配偶者加給年金には、受給者の生年月日に応じた特別加算があり、昭和18年4月2日以降生まれの場合は満額(約17万円弱)が上乗せされ、合計で年額40万円程度になります。
注意点
- 配偶者が65歳になると加給年金は打ち切られます。代わりに配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」がありましたが、これから年金をもらう方は対象外になっています。(昭和41年4月1日以前に生まれた方までが対象)
- 配偶者が厚生年金の被保険者期間20年以上で自身の老齢厚生年金を受給開始している場合、加給年金は支給停止になります。
- 加給年金は繰下げ受給をしている間は支給されません。老齢厚生年金を繰り下げると、その間加給年金も受け取れません。
年金額の調整
過去に収めた金額を元に年金支給となると、物価のインフレによって老後に生活が難しくなるため、物価、賃金上昇を加味して、年金額は増える仕組みになっています。
ただし、年金は現役世代からの仕送り方式であることから、上昇率をそのまま反映してしまうと現役世代の負担が重くなってしまいます。
そのため、マクロ経済スライドという物価や賃金の伸びから「スライド調整率」を差し引くことで、年金額の増加を緩やかに抑え、現役世代への負担を減らす方式をとっています。



インフレ分は年金にすべて反映されないってこと?



その通り!
現役世代からの仕送り方式で、少子高齢化だからこれ以上現役世代への負担を増やすことは難しいと思うよ。
現役世代は老後に向けて株などに投資して、蓄えておくことが大事。
国がNISAを作ったのは、老後は自分でなんとかしてねというメッセージかもね。



50代の氷河期世代の人とか今更ってならない?
バブル崩壊も経験しているから拒否反応もあるだろうし。。



それでも投資はやったほうがいいかな。
私自身も氷河期世代の最後のほうだけど、勉強して始めたことでゆとりを持てるようになったよ。
知っておきたい!年金の「繰り上げ」「繰り下げ」受給
年金の受け取り開始は原則65歳からですが、自分のライフプランに合わせて受け取り開始時期を前後にずらすことができます。
早くもらう(繰り上げ受給)メリット・デメリット
60歳から64歳の間で、早く受け取り始めることを「繰り上げ受給」と呼びます。
早くもらえる分、早く生活の足しにできるメリットがありますが、1か月早めるごとに0.4%(最大24%)受給額が減額され、その減額された割合が一生涯続いてしまうのがデメリットです。
遅くもらう(繰り下げ受給)メリット・デメリット
66歳から75歳の間で、遅く受け取り始めることを「繰り下げ受給」と呼びます。
受け取り開始を遅らせる間は年金なしで生活(または労働)する必要がありますが、1か月遅らせるごとに0.7%(最大84%)も受給額が増額されます。
ただし、税金や各種社会保険料(国民健康保険料・後期高齢者医療保険料・介護保険料)も増加しますので、思ったより増えないということもあり得ます。
繰り上げ受給・繰り下げ受給のどっちを選べばお得?
これは寿命を聞かれているのと同じです。
自身が何歳まで生きるかによって一番得する方法が変わるためです。
寿命に合わせて、一番得になる受給開始タイミングを計算すると以下のようになります。
80歳までに亡くなる … 60歳で受給開始
80~81歳に亡くなる … 65歳で受給開始
81~91歳に亡くなる … 70歳で受給開始
91歳以降に亡くなる … 75歳で受給開始



一見すると70歳で受給開始に繰り下げ受給するのが一番バランス良いように思えるんだけどどうかな?



2024年のデータになるけど、日本人の平均寿命が男性が81歳、女性が87歳だからデータだけを見るとそうかもね。
でも、もし早くに亡くなってしまうとそれだけもらえる金額は少なくなるよ。
あとは65歳で退職したとして、5年間は働かないと無収入になるからその分を貯蓄でやりくりする必要がでてくるよ。



うーん。そんなに単純じゃないってことね。



マクロ経済スライドがあるから、インフレほど年金は増えていかないし、早くにもらったほうがいいという意見もあるね。



個人的な意見だけど、以下が基本的な最適解かなと思ってる。
・老後に向けた貯蓄がある人
→早く(60歳~65歳)に受給開始
・老後に向けた貯蓄がない人
70歳まで働いて遅く(65歳~70歳)に受給開始
貯蓄がある人は元気な内にもらって旅行などやりたかったことに使ったほうがいい。(多分余ることになるので)
貯蓄がない人は生活に困ることがないようになるべく働いて、受給開始を遅らせたほうが安全だと思う。



70歳まで働きたくないね。。
NISAやiDeCoで老後に備えるよ。
将来いくらもらえるの?確認方法
自分が将来いくら年金をもらえるのかを知るには、国から送られてくる書類やWEBサービスを活用しましょう。
「ねんきん定期便」のココだけは見よう!
毎年誕生月に日本年金機構からハガキ(節目の年は封書)で届くのが「ねんきん定期便」です。
50歳未満の方のハガキには「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されており、50歳以上の方のハガキには「現在の条件で60歳まで働き続けた場合の見込額」が記載されています。
まずはここに書かれている「老齢年金の種類と見込額(年額)」をチェックしてみましょう。
「ねんきんネット」なら将来のシミュレーションが可能
より詳細に知りたい方は、マイナポータル経由でアクセスできる「ねんきんネット」がオススメです。
今後の働き方(給料が変わる、転職する等)を細かく設定して、将来もらえる年金額をシミュレーションすることができます。



年金額をシュミレーションすることで老後に向けたライフプランも作りやすくなると思います。
老後だけじゃない!年金の「万が一」の保障
公的年金には、老後の生活を支える「老齢年金」の他に、予期せぬトラブルから生活を守る2つの重要な役割があります。
万が一のケガや病気に備える「障害年金」
病気やケガによって生活や仕事に支障が出るような障害状態になったときに支給される公的年金です。老齢年金と違い、現役世代でも要件を満たせば受給できます。
うつ病などの精神疾患や、がんなどの内部疾患も対象になる場合があります。障害の程度に応じて「障害基礎年金」や「障害厚生年金」が支給され、生活をサポートしてくれます。
支給要件や支給額は条件が少し複雑なため、日本年金機構のサイトを見ていただくとよいと思います。
残された家族を守る「遺族年金」
一家の大黒柱など、生計を維持していた方が亡くなった場合に、残された遺族(配偶者や子供など)に支給される年金です。
「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」があり、子供が自立するまでの生活費の大きな助けになります。
民間の生命保険に加入する際は、この遺族年金でもらえる額を差し引いて、本当に必要な保険金額を計算することが大切です。
こちらも支給要件や支給額は条件が複雑なため、日本年金機構のサイトを見ていただくとよいです。
また、遺族基礎年金に「寡婦年金」「死亡一時金」、遺族厚生年金には「中高齢寡婦加算」「経過的寡婦加算」という一時金や年金を上乗せできる制度があります。
学生や収入が減って払えない時はどうする?
未納は絶対にNG!免除・納付猶予制度を活用しよう
「収入が減って国民年金の保険料が払えない」「学生で収入がない」といった場合に、そのまま放置(未納)にするのは絶対にやめましょう。
未納のままだと、将来もらえる年金が減るだけでなく、いざという時の「障害年金」や「遺族年金」が受け取れなくなるリスクがあります。
払うのが厳しい時は、お住まいの市区町村役場の窓口で「保険料免除制度」や「学生納付特例制度」などの申請手続きを必ず行ってください。



公的年金は老後や万が一の時の「強力なベース(土台)」になります。
しかし、それだけで十分なゆとりがあるとは限らないため、ご自身のライフプランを作成し、不足する分については「NISA」や「iDeCo」を活用して自分年金を作っていくことをオススメします。






